マガジン

2021.12.03
【発酵の仕事人】発酵の仕事に携わる作り手さんに仕事への向き合い方やそのこだわり。

日本伝統の醸造技術が生み出す、旨み豊かな発酵調味料から、ビールやチーズ、ヨーグルトなど私たちが日常的に口に入れる食品まで、微生物のミラクルな力を借りた発酵食品が周りには溢れています。実は身近な存在でもある発酵の現場に足を運び、発酵の仕事に携わる作り手さんに仕事への向き合い方やそのこだわりを聞きました。

チーズ工房 醍醐

http://daigocheese.com

かつてイタリアで食べたチーズの美味しさが忘れられず、その興味から愛媛県の内子町へ移り住みチーズ生産者になった國分茂樹さん。酪農家とタッグを組み、原料となる牛乳を新鮮なうちに風味や成分を壊さぬように工房まで運び入れる。そして乳化剤やPH調整剤を使用せず乳酸菌の力だけで発酵させていく。最初は道の駅のみでの販売だったが、その美味しさに目をつけた一般客や料理人からの信頼を得て、あっという間にその名が知られることとなった。「発酵は人間ではなく乳酸菌の都合」と國分さんは笑う。そんな乳酸菌が生きたまま出荷される醍醐のチーズは、その時だけの一期一会の美味しさを教えてくれる。

“トミーノチーズ”(カマンベールタイプ)は人気商品のひとつ。苦味がなく滑らかな舌触りと、しっかり牛乳が香る
出荷を待つチーズをひとつひとつチェックしていく國分さんの手から、その愛情が伝わってくる

梶田商店

愛媛県大洲市中村559
TEL:0893-24-2021
営:8:00〜17:00 第2土曜・日曜・祝日休
https://www.kazita.jp

140年以上、醸造に関わってきた愛媛県大洲市の梶田商店。13代目の梶田泰嗣さんは「真っ当な調味料を作りたい」と開口一番、語ってくれた。主原料である大豆・小麦は愛媛県産、塩は徳島県鳴門産と、地元の良質な原料を意識して厳選している。「昔ながらの製法で添加物は一切加えていません。麹菌の力と、代々蔵に棲みついている酵母の働きで発酵が行われます」と梶田さん。100%自社醸造をしている醤油蔵は流通全体の約1割だそう。真っ当な食とは?を日々問答し続け、「食は体を作る命の源泉である」という使命感をもって、自然と共存しながらより健康で美味しい醤油・味噌を醸している。

醸造は今でも杉桶にこだわり醸される。酵素や酵母を添加して醗酵を促進したりせず、自然との調和を目指している
全ての始まりである麹。ここから菌の力で発酵が進み、艶やかなまろみのある醤油が生まれるというのも感慨深い
右から、
天然丸大豆醤油 巽 濃口
1,296円(720ml)、
天然丸大豆醤油 巽 淡口
1,296円(720ml)、
たつみ 麦みそ(甘口) すり 615円

今治街中麦酒

愛媛県今治市常盤町3-4-13
TEL:898-35-4313
営:15:00~22:00 / 日曜休
https://imabari-machinaka-bakusyu.com

「地元の人たちが毎日グラスを傾けるようなクラフトビール・パブが夢でした」と中島俊一さん。脱サラし、各地のクラフトビールの産地を訪ね歩いた末に現在の「今治街中麦酒」を2020年にオープンさせた。前職が研究者だったこともあり、ビール作りは実験のような気持ちでスタートしたそうだが、今では1日ごとに刻々と表情を変えていくビールが愛おしく感じるほどに。ペールエールやIPA、ヘイジーIPAなどに加え、地元で採れる果物を使ったビール造りにも果敢に取り組んでいる。そんな今治産はれひめを使った“はれひめHazy IPA”が日本地ビール協会主催の『インターナショナル・ビアカップ2021』で金賞を受賞するなど、着実に評価されつつある。

右から、
ペールエール 660円、IPA 660円
商店街からの視界は全てガラス張り。カウンターと醸造タンクが並ぶ様子が街の景観のひとつをつくる
奥の壁にはタップが並び、注文を受けてからグラスになみなみと注がれる。その時にしか合えないビールがあるのも楽しい

    • 3-1-1 B1F Ichibancho, Matsuyama-City,
      Ehime, 790-8532
    • MAIL info@tcm.fun