マガジン

2022.03.28
みんなの朝食 2022

今号ではみなさんから朝食のアンケートをとり、朝の時間を素敵に過ごすアイデアをいただきました。また、あるご家庭の朝のひと時をご紹介するとともにレシピの再現&オススメ食材も掲載いたします。

少しのこだわりで健康と美味を実現
ある家族の週末朝ごはん

「仕事の日は私が4時20分起床、5時半には自宅を出るので、
長男に朝ごはんをおまかせしちゃっています。
パンを焼いて、双子の弟たちに食べさせてみんなで学校に向かいます」
という兵頭さんファミリー。
お父さんは生活の時間帯が異なるため、
食事は今春から中学一年生の泰空(たいら)くん、
小学5年生の飛羽(とわ)くん、風羽(ふわ)くんと
ともに食べることがほとんどだと言います。

お母さんの美穂さんは福岡の出身。
父母が愛媛県久万高原町の出身だったことをきっかけに、20代前半に家族で松山へ移住。
事務やアパレルの仕事に就いていましたが、結婚、子育てを経て、
いつかはやってみたい!と思っていたパンづくりの仕事を始めました。

「本を読んだり、独学で得た知識でレーズンから酵母をおこして家でパンをつくっていましたが、
泰空くんの小学校入学を機に働きに出ることにしました。
たまには自分で焼くこともありますが、普段の朝ごはんはお店のトースト。
特に飛羽はこんがり焼いたトーストにバターとシュガーをかけるのが大好き」

しかし、家族が多いと食の好みもそれぞれ。
休日には和食のオーダーがよく入るのだとか。
お米は、お父さんの実家・西予市城川町でつくられた米を3分づきにしたものに
もち麦を加え、圧力鍋で炊いています。

お味噌汁はイリコダシ、カツオダシをその日の気分によって使い分けるそう。
味噌は梶田商店の、たつみ麦みそ甘口(つぶ)。
「うちの母はお味噌汁にみりんを入れるぐらい甘党で(笑)。
さすがに私はしませんが、梶田さんの麦みそは甘くて美味しいと子どもたちにも好評です」

豆腐、松山あげ、わかめ、玉ねぎの入ったお味噌汁を
子どもたちは「僕は自分で入れるね」と、思い思いの量で注いでいきます。
ダシと少し砂糖を入れた甘めの卵焼きを巻き、
3年もののぬか床で一晩漬けたキュウリをさっと切って、
焼き魚を添えてできあがり。

「特に朝は手の込んだことはしませんが、
口に入るものはなるべく健康に良いものを使いたいから、
味噌・醤油・塩など調味料にちょっとだけこだわります。
素材が良いと味もグッとよくなりますね」と美穂さん。

「味噌汁どう、薄かった?」、「う〜ん、ちょうどいいよ」
なんていう親子のさりげない会話が心地よく、
配膳から片付けまで自然に自らすすんで関わろうとする子どもたちが眩しく見えつつ、
食を中心とした健やかな家族のあり方を垣間見た気がしました。