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2022.12.26
タウリンたっぷり 宗田節で健康な毎日を!

 高知県南西部、土佐清水市は宗田節の生産量の全国シェア7〜8割を占めている一大生産地。足摺岬沖で獲れる宗田鰹(メジカ)を原料とし、うどん、そばのだしの原料や和食にコクを出すために欠かせない素材として多くの料理人に親しまれています。ちなみに、かつお節と宗田節の違いって分かりますか?
かつお節はカツオ属のカツオからつくった節、宗田節はソウダガツオ属のマルソウダからつくった節のことです。サバ科までは同じですが、種(しゅ)はもちろん属(ぞく)も違う魚なのです。

 節納屋(ふしなや)と呼ばれる宗田節の加工場が集まる土佐清水市では、現在13社が製造を行い、天然木で節を燻す昔ながらの方法が受け継がれ、まちのあちこちから宗田節の香りが漂ってきます。「たけまさ商店」は、大正元年の創業以来、四代にわたって伝統製法を守り続けています。

 宗田節づくりの朝は早く、三代目・武政嘉八さんは7時前には出勤。原料となる宗田鰹の仕入れ状況を確認したり、作業の段取りを始めます。たけまさ商店のスタッフは長い方で勤続40年、職人級の目と腕をもった宗田節のプロ集団。今年、入社3年目となる営業本部長の島谷真矢さんは、三代目の娘、早苗さんの夫。「3人姉妹の末っ子だったので、元々家業を継ぐつもりはなかったのですが、夫がやりたいと言ってくれて」と、早苗さん。ここで生まれ育ったから当たり前の風景だと思っていたそうですが、真矢さんを通して宗田節づくりの素晴らしさや魅力を再認識したと言います。

左から、三代目武政嘉八さんと営業本部長の島谷真矢さん

 それでは、伝統製法を今も続ける宗田節づくりの流れを見ていきましょう。まずは原料となる宗田鰹、8月後半〜翌年6月頃まで水揚げがあり、寒い時期が漁の最盛期です。土佐沖の定置網や、土佐清水市下ノ加江の伝統漁法「引き縄漁」で一匹ずつ丁寧に釣上げた魚を使います。大きさは穫れる時期によって異なりますが、約300g〜500gほどで鰹に比べて10分の1程の小さい魚です。次に「釜立て」、魚の腹をさばき、煮るための籠に並べていきます。次は「煮熟(しゃじゅく)」、地下水を使って1時間以上「煮熟」します。長年の職人の勘が必要となる大事なポイントです。茹で上がった宗田鰹の頭、骨、内臓をあたたかいうちに手作業できれいに取り除き、せいろに並べます。次は「焙乾(ばいかん)」。薪を燃やした大きな部屋の中にせいろを入れ、魚の水分を蒸発させたり香り付けをします。火力や煙の加減を見ながらこの工程を約1週ほど続け、最後には天日干し。潮風と太陽の光でうまみをギュッと凝縮させていくのです。

1.煮上がったアツアツの宗田鰹の頭や内臓を手作業で取り除く
2. その日の天候や風向きで薪をくべながら火力を調整していく
3. 水分を飛ばし、薪で香りづけされた宗田鰹。香ばしくいい香りが漂う
4. 天日乾燥の際にも職人の厳しい目で、水分量や形状のチェックが行われる
5. 自社の加工場で商品の用途に合わせた削り加工がされていく

 昔から「香りカツオ、味メジカ」と言われ、鰹節と宗田節を比較して香りは鰹節が勝るが味は宗田節が勝るというような意味合いで言い伝えられています。実際に宗田節の成分調査をしたところ、うま味成分ともいわれているアミノ酸の仲間である「タウリン」が、鰹節の約3倍、ウナギの約40倍含まれていたそうです。タウリンは体の細胞を正常な状態に戻す、疲労回復や抗酸化作用、血圧の正常化などの作用があるそう。ダシとしての利用はもちろん、けずり節をお好み焼きや焼きそばにかけたり、やきめしの味付けに使ったりと、様々なお料理に応用してください。

・厚削り…100g 648円 / 30g 324円
・うす削り…40g 540円 
・ほそ削り…20g 324円 
・粉だし昆布入り…30g 324円 
・ふりかける…20g 324円
・うまみ醤油づくり…瓶 972円

◎たけまさ商店
高知県土佐清水市中ノ浜236
TEL:0880-82-9208
FAX:0880-82-9877
https://takemasa-syouten.com