マガジン

2022.07.30
暑い日にもつるんと!夏の麺01

食欲のない季節にも、さらっとツルッといける麺特集。ひと皿で栄養満点に仕上げることもできる、夏休み中の子どもたちにもお手軽に食べてもらえるそうめん、うどん、パスタ、などなどTCMおすすめの麺を大特集します。

コシの強さがおいしさ 昔ながらの技が光る 阿波伝統の味

徳島県美馬郡つるぎ町。剣山の麓にある吉野川沿いの自然豊かな場所が半田そうめんの発祥地です。昭和52年に創業し昔ながらの製法でそうめんをつくり続けている「北室白扇」。実はそうめんをつくり始めたのはさらに以前の昭和7年頃のことなのだそうです。来年80歳を迎えるという北室哲男さん家族を中心に、熟練の職人さん達8名で日々、製造を続けています。

延ばしながらひとつひとつ長めの竹棒で剥離していく。気温や湿度によって麺の硬さが異なるため、簡単なように見えて難しい

そうめんには太さや長さなどに規定があり、半田そうめんはいわゆるひやむぎに定義される太めの1.7ミリ。近年JASで分類が制定された際に、約二百年を超える江戸時代から継承されている半田そうめん独自の歴史と地域性が認められ、特別にそうめん表記が許されているそう。「北室白扇」では工場の1階が梱包と生地作り、2階が製麺作業と乾燥・裁断を行うスペースになっており、無駄のない流れ作業で製造されています。朝5時には一連の作業がスタート。小麦粉と食塩水をまぜ、生地をこねあげます。それを熟成しコシを出している間に、前日の午後から干し乾燥をさせていたそうめんを規定のセンチにカットする作業が始まります。そして裁断が終わると、次は棒にかけた麺を徐々に引き延ばしながら、はたと呼ばれる台に棒を差し込み、ピンと張った状態で約半日ほど乾燥させます。合間には商品梱包などがありますが、もちろん全てを手作業で行っています。また、実はそうめんはとても無駄の少ない食材。規定通り切り揃えた一般的な商品はもちろん、切り落とした端はふしめんとして、そして残りの商品にならない部分は再度粉砕して材料の一部に回されるというので、昔からSDGsな取り組みになっているのです。

23度に設定された乾燥場では、時間との戦い。乾燥具合を見極め、側についているレバーで少しずつ引っ張りながら、規定の長さまで延ばしていく。
切り揃えたそうめんは、この後1束100gごとに小分けしていく

「北室白扇」のスペシャルな一品は、5年ほど前から登場した国産小麦と四国剣山の天然水、伯方の塩を使用した手延べそうめん。お客さんの要望に応え、時代に合わせた商品をと開発。“さぬきの夢2000”など、うどんにも使われる小麦を色々試し、試行錯誤の末たどりついたのは九州は筑後地方の小麦でした。しっかりとコシがありながら、つるりとした独特の喉ごしがクセになる、半田そうめんのおいしさを最大限に堪能できる「国産小麦の手延べそうめん」は限られた取引先しか卸していません。この時期は氷水でキュっと冷やして食べるのはもちろんいいけれど、北室哲男さんにお気に入りの食べ方を聞くと「麺つゆもいいけど、酢味噌も合いますよ。そこに潰した梅を入れても最高」と教えてくれました。

国産小麦使用 手延べそうめん 100g×2束 324円

半田そうめんを使ったおすすめレシピはこちら

◎半田手延素麺 北室白扇
徳島県美馬郡つるぎ町半田松生108-5
TEL: 0883-64-3234
https://www.kitamuro-hakusen.com/