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2022.07.30
暑い日にもつるんと!夏の麺02

食欲のない季節にも、さらっとツルッといける麺特集。ひと皿で栄養満点に仕上げることもできる、夏休み中の子どもたちにもお手軽に食べてもらえるそうめん、うどん、パスタ、などなどTCMおすすめの麺を大特集します。

農地を引き継ぎ 人と大地が循環する 自然栽培米をつくり続ける

田植えが終わった、青々とした田んぼ。「代掻きと水管理を工夫することで、田植え後の苗の食害を回避し、草をジャンボタニシに食べてもらっています。なので、除草剤も必要ありませんし草取りも手がかかりません」

愛媛県松山市、重信川の中流域にある久米地区で米を中心におよそ5町(5ヘクタール)の広さの稲作を自然栽培で手がけている「うかのわ」の岡崎仁志さん。化学肥料・有機肥料・農薬を使用せず、土地の力に頼って作物を育てています。岡崎さんは北海道出身。2010年から農業を志し埼玉で住み込みの修行を始め、愛媛に移住をしてきたのが2014年。障がい者が地域の生産者となる農福連携を実践し、自然栽培米を地域の耕作放棄地でつくる会社へ就職したことがきっかけでした。その後、専業農家として2018年に独立し、つくり手も食べる人も、自然も豊かになる、農業の実現を目指しています。

全国名水100選に選ばれた湧水のある杖ノ淵公園の側に畑を借り、友人知人や希望者を募って野菜を育てる活動をしている。夏はトマト、ナス、きゅうり、ズッキーニなど豊富に収穫ができる

「無肥料や無農薬は無理、難しいという声を聞きますが、40年以上の実例があり収量もあります。田の草取りが課題とされていますが、うちではジャンボタニシ が活躍してくれています」。自然環境と食べる人と農家の幸せを満たすには十分な量が取れているのだから、それでいいと岡崎さんは言います。

日本生態学会が定めた、日本の侵略的外来種ベスト 100にも入るジャンボタニシ。彼らの食欲と繁殖力旺盛な性質を農法に転換し、水管理をすることで敵を味方にした自然農法を確立した

安心安全のお米を使った加工品をつくりたいと思っていた時、「食」マーケティングのスペシャリスト、六次化産業プランナーの中川美陽子さんに出会い、広島で米粉を主原料とする麺の製造を専門にしている「おこめん工房」を紹介してもらい、自家栽培の玄米を麺にしてもらったそう。「私も家族も麺が大好きなので、つるつるモチモチの食感や茹で時間が短く手軽に食べられることもあり、自家消費が激しいんです」と笑う。「自然栽培稲作のモデルを確立して農家仲間を増やし、地域の離農農地を引き受け、自然栽培の稲作でこの一帯を元気にしていきたい」と岡崎さん。本当によい作物を、適正価格で提供できるように、誰もが当たり前に食べて暮らせる時代へ向けて走り続けています。

うかのわ お米まるごと玄米麺 302円

噛むほどに甘く、もっちりした食感の玄米麺。素材は、愛媛県産うるち米と北海道産ばいれいしょの澱粉のみ。ゆで時間は2分程度と短く、温かいスープはもちろん冷製麺として、また炒め物にもピッタリ。

うかのわ 玄米麺をを使ったおすすめレシピはこちら

小さな集会所ホオル

◎うかのわ http://ukanowa.green/
◎小さな集会所 ホオル http://husica.com/hooru.html
ワークショップ、お話会、季節の手仕事、マーケット、映画上映、など不定期で開催。月一度開催の「ホオルの庭」は第3土・日曜(8月はお休み)
場所:愛媛県松山市久米窪田町284
詳細は公式インスタグラムより @atelier.hooru