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2023.01.31
口福のいちご

洗わずそのまま食べられる 樹上完熟の真紅の宝石

 愛媛県西条市で両親の代からいちご農家を続ける築山隆明さん。専業になってからおよそ25年、現在は「レッドパール」という品種1本で農園を経営しています。レッドパールをつくり続ける理由を「食べておいしい、大きくてつややかで鮮やかな赤色は見た目にも美しい。何より自分が気に入っているからでしょうね」と築山さん。現在は、合わせて25アールもの農地に長さ80m、60mのハウスを設置し、土耕の高設栽培で栽培しています。西条市には「うちぬき」と呼ばれる地下水の自噴井がいくつもあり、西日本最高峰である石鎚山系から流れ出した加茂川の伏流水は清らかでカルシウムやマグネシウムが少ないため、まろやかな甘みがあります。「当園の特徴はバクテリアを入れた健康な土、そしていちごの花が咲いてからは化学農薬は一切使わず、人間が口に入れても大丈夫なもので病気対策を行います。虫対策も食虫植物や天敵昆虫を放すような対策です。実は、農薬によっては出荷直前まで果実に使用可能というものもあるのですが、私たちは子どもたちにも洗わずパクりと食べてもらいたい。できる限り自然に近いつくり方をしたいのです」と言います。 

株にかかる負担を軽くするため、ひと枝になる実を10個前後に摘花、摘蕾する

 また、一般的には色付いたら収穫し、流通の過程で赤くなったいちごが店頭に並びますが、「いちごマム」では樹上で完熟して最もおいしい状態でお客様にお届けするため、ギリギリのタイミングで収穫をします。流通の間に型崩れしたりドリップが出たり、トラブルもあったそうですが、梱包材などできる限り対策をし、農園からお客様へ素早くおいしいいちごを届けられるよう、努力を続けられています。 

ハウスの中に吊り下げられた黄と青の板は、虫を捕獲する粘着シート。いちご自体に負荷をかけず原始的だけど効果的
 「収穫は1月中旬から4月頃まで。毎日いちごとにらめっこし、最適なタイミングの果実だけを収穫します」と、築山隆明さん 

◎いちごマム
愛媛県西条市新田83-2
TEL:0897-53-7295
13:00~売り切れまで/不定休 
※収穫状態により販売時間、販売量も異なり時価となります。
TCMでの販売も収穫次第入荷となりますので、 お求めの希望の際は店舗までご連絡ください